抗リン脂質抗体症候群 antiphospholipid syndrome: APS
#免疫アレルギー
<Qアシ>20231116
☆血栓ができる疾患
抗リン脂質抗体によって血液凝固が亢進
※続発性はSLEに合併することが多い。
【臨床像】
☆血栓症をみたら、
APSが背景にあるのでは?
不育症の既往を聞く。
若い人だったら自己抗体を測定しておく。
静脈血栓症:深部静脈血栓症、肺塞栓
動脈血栓症:TIA、脳梗塞、心筋梗塞、腸間膜動脈血栓症
妊娠合併症:妊娠早期の習慣性流産。・死産・原因不明の子宮内胎児死亡:胎児が育たない。不育。中期以降の妊娠高血圧症候群
その他:網状皮斑 livedo、皮膚潰瘍など
【検査】
血液:
血小板↓(血栓ができまくるから、消費性に減少)
APTT延長(試験管レベルで起こる。リン脂質を含む試薬のために延長する。延長は本来出血傾向を示す。臨床的には凝固が亢進し、血栓症をきたしやすい)
自己抗体(診断にはどちらか一つを満たすこと)
抗カルジオリピン抗体(+): 梅毒血清反応で生物学的偽陽性。
ループスアンチコアグラント(+):ループス=SLE
【治療】抗血栓療法
抗凝固療法(ヘパリンなど)→深部静脈血栓症
抗血小板療法→動脈血栓症<過去問21>20231123
線維素溶解薬(ウロキナーゼなど)
※ワルファリンは催奇形性があるため妊婦には禁忌。
→ヘパリンを処方。また、ヘパリンは静注が基本だが、妊婦さんにはお腹に皮下注。
면역
【お話➀】
24歳女性。発熱と左下腿の浮腫(=DVC)。
海水浴やスキーに行った際に顔面に紅斑(=光線過敏)→SLE?
両手関節と肘関節とに圧痛。
抗核抗体↑(20未満)、抗dsDNA抗体↑(12以下)
→SLE.
左下腿部の腫脹と把握痛→DVT
血小板↓(13~35万)、APTT↑、Dダイマー↑(1.0以下)
次に行う検査は?
→下肢静脈超音波検査:DVT確認、抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラント
【お話②】103D30
30歳女性。下肢の皮疹。
3m前から両側下肢に網目状の紅斑(=網目皮斑)、1w前から小潰瘍多発。
2度の流産を経験。
25歳時に脳梗塞の既往。:若い人の血栓→抗リン脂質抗体症候群 antiphospholipid syndrome: APS?
診断に有用な検査?
→抗カルジオリピン抗体
【お話③】96A53
32歳女性。一昨日からの下肢の腫脹。
左下肢に熱感を伴う有痛性の腫脹。左足を背屈すると腓腹部に疼痛。→DVT
3回の流産歴→抗リン脂質抗体症候群 antiphospholipid syndrome: APS?
赤血球↓(380~530万)、白血球↓(4,000~10,000)、血小板↓(13~35万)=汎血球減少
APTT↑、抗核抗体↑(20以下)
→SLEからの抗リン脂質抗体症候群 antiphospholipid syndrome: APS.
この疾患で見られるのは?
→一過性脳虚血発作 TIA、腸間膜動脈血栓症、Budd-Chiari症候群:門脈圧亢進